「実は私、人嫌いなんです。」
そう言うと、決まって
「そんなことはないでしょう！」
と笑われます。
しかし、これは事実です。
人と距離を置きたい気持ちもあるし、
ひとりでいたい時間が長くないとバランスが取れません。
自己肯定感も低く
自分を他人と比べて、落ち込んでみたり
承認欲求が強くなりすぎたり
完璧主義に陥って「100点じゃないとダメ」と思い込んだりします（苦笑）
この面倒くさい感情こそが、
“本郷猛としての私” だと…………….。
普段皆さんの前にいる、
仕事でスイッチの入った私…….
あれは 仮面ライダーに変身した自分 なのです。
◎ 本郷猛を鍛えても、仮面ライダーにはなれない
ある本に書かれていた
「本郷猛を鍛えてはいけない」
という一文が、妙に自分に刺さりました。
本郷猛がいくら空手を学んでも、
どれほどバイクが上手くなっても、
努力だけでは怪人に勝てません。
“変身”という別次元の方法で、
本郷猛を一度捨てないとライダーにはなれない。
この話を読んだとき、
「ああ、これは完全に自分の話だ」と思いました。
私も社長になりたくてなったのではありません。
師匠の突然の事故という“外側の力”によって、
気づけばまったく別の役割を背負っていました。
嫌でも覚悟を問われ、
嫌でも判断せざるを得ない。
本郷猛がショッカーに改造されたように、
私も突然“経営者として戦う運命”を背負わされたのです。
◎ 本郷猛の私：人嫌いで、弱くて、さみしがり屋
本来の私は、弱いです。
感情に揺れるし、落ち込むし、完璧主義にも飲まれる。
・人嫌い
・承認欲求の強さ
・自己肯定感の揺らぎ
・他人と比べて苦しむ癖
・さみしがり屋な一面
これらはすべて、
“本郷猛としての私” の側面です。
弱さでもあり、同時に人間らしさでもあります。
経営者は強そうに見えますが、
裏側では多くの経営者が、この「本郷猛」を抱えています。
◎ 仮面ライダーの私：社長モードの人格
しかし、仕事になると私は変わります。「変身！」
使命が前に出る。
判断力が研ぎ澄まされる。
自己肯定感が安定し、他人軸から解放される。
・組織を守る
・クライアントに応える
・仲間を導く
・戦略を描く
・責任を負う
これらが発動した瞬間、
私は明らかに“別の人格”になります。
これはまさに
本郷猛 → 仮面ライダー
という構造そのものです。
経営者という役割は、
スキルではなく“変身”によって人格そのものが変わる仕事です。
◎ 経営者は、自分の「変身スイッチ」を持つべきだ
経営者は、
素の自分だけでは戦い切れない瞬間があります。
だからこそ、
役割を切り替え、自分を変身させるスイッチを持つべき だと思っています。
私にとってそれがたまたま“仮面ライダー1号”だっただけで、
スーツ、ペン、デスク、音楽……
人によって何だっていい。
重要なのは、
「戦うべき時に、自分を最善の状態に引き上げる仕組みを持つこと」
視界に入るだけで、
“本郷猛の自分”から
“ライダーとしての自分”へ切り替わる。
ただそれだけの象徴です。
その程度でいいのです。
◎ 経営者は、自分で自分を変身させなければならない
経営者は戦い続ける仕事です。
だからこそ、
素の自分で戦おうとすると心が折れます。
大事なのは、
本郷猛（素の自分）を否定しないこと。
しかし“戦う瞬間は”仮面ライダーに変身すること。
この二つをきちんと分けると、
精神が非常に楽になります。
そして経営者は誰でも、
この二つの自分を持っています。
本郷猛の自分を許し、
仮面ライダーの自分を使いこなす。
その切り替えこそが、BOSS思考です。
「【本郷猛を鍛えてはいけない】経営者が人材育成でつまずく“本質”について」につづく
